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工務店の動画制作費用相場|施工事例・SNS発信にいくらかけるべきか

湘南の工務店の建築現場でジンバルを使い動画を撮影する制作者

「モデルハウスに足を運んでくれる人は減っているのに、契約したお客様に聞くと『SNSで見て知った』という声が増えている」——湘南で注文住宅やリフォームを手がける工務店の経営者と話すと、こうした声をよく聞く。動画やSNSに力を入れたほうがいいのは分かっていても、いくら予算をかければいいのか判断できずにいる工務店は少なくない。

結論から言えば、工務店の動画制作は施工事例紹介・お客様インタビュー型で30万〜60万円、完成披露や現場密着を含むドキュメンタリー型で60万〜120万円が一つの目安になる。ただし今の工務店にとって金額そのもの以上に重要なのは、新設住宅着工が減りリフォーム需要が伸びるという市場の変化に合わせて、何を撮り、どこに出すかという「配分」の設計だ。

この記事では、2026年の住宅市場データと工務店の集客チャネル調査をもとに、動画にかけるべき予算の考え方とタイプ別の費用相場を、制作者としての現場感覚を交えて整理する。

  • 結論:施工事例紹介・お客様インタビュー型は30万〜60万円、完成披露・密着ドキュメンタリー型は60万〜120万円が目安
  • 2025年度の新設住宅着工戸数は71.1万戸(前年度比12.9%減)と低水準が続く一方、住宅リフォーム市場は7兆5,119億円(前年比2.5%増)へ拡大しており、工務店が発信すべき内容も変わりつつある
  • 工務店の集客チャネル調査では自社HP(48.5%)・SNS広告(46.3%)・SNS投稿(45.5%)が効果実感の上位で拮抗しており、動画は1本作って複数チャネルに使い回す設計がコストパフォーマンスを左右する

なぜ今、工務店の動画予算は
「新築中心」から見直しが必要なのか

国土交通省の住宅着工統計によると、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の新設住宅着工戸数は71万1,171戸で、前年度比12.9%減とリーマンショック後の水準をも下回る低さになった。注文住宅の完成事例を撮って集客するというこれまでの動画の作り方だけでは、母数そのものが縮んでいる状況だ。

一方で、矢野経済研究所が2026年7月16日に発表した「住宅リフォーム市場に関する調査」では、2025年度の住宅リフォーム市場規模は7兆5,119億円(前年比2.5%増)と推計され、2026年度は7.7兆円(同1.9%増)まで拡大すると予測されている。団塊ジュニア世代の持家がリフォームの適齢期を迎えていることに加え、資材費・人件費の高騰による工事単価の上昇、窓の断熱改修を対象とした補助事業の後押しが成長要因として挙げられている。

この数字が意味するのは、工務店が動画で見せるべき対象が「注文住宅の完成事例」だけでは足りなくなっているということだ。断熱改修やキッチン・浴室のリフォームといった、ビフォーアフターが分かりやすい現場も、これからは動画の主役になり得る。


工務店の動画制作費用相場
——タイプ別の価格早見表

新設住宅着工の減少とリフォーム市場拡大という住宅市場の変化を表す図解

工務店のお客様からいただく相談内容をもとに、私たちが提示することが多い価格帯を整理すると次のようになる。以下に相場を整理する。

タイプ 尺の目安 費用相場
施工事例紹介・お客様インタビュー型 2〜3分 30万〜60万円
完成披露・密着ドキュメンタリー型 3〜5分 60万〜120万円
ドローン外観・外構空撮併用型 2〜4分 80万〜150万円
SNSショート動画セット(施工事例・現場密着) 15〜60秒×複数本 20万〜50万円(セット)

まず作るなら施工事例紹介・お客様インタビュー型が起点になることが多い。予算に余裕があれば、外観や立地、外構の見せ方を強化できるドローン空撮併用型を組み合わせると訴求力が上がる。建設業全体の費用感は建設業の動画制作費用相場でも整理しているので、あわせて参考にしてほしい。

リフォーム現場は「定点撮影」で追加コストを抑えやすい

リフォーム案件は着工前・工事中・完成後を同じアングルで撮る定点撮影を仕込んでおくだけで、追加の撮影日をほぼ増やさずにビフォーアフター動画の素材が手に入る。新築の完成披露に比べて撮影日数がかさみにくいのは、リフォーム動画のコスト面での利点と言える。

工務店の集客チャネル、
動画はどこに効いているか

株式会社ビズ・クリエイションが2026年1月19日〜31日に実施した「工務店集客チャネル調査2026」(住宅会社向けクラウド「KengakuCloud」導入企業134社対象)では、直近3ヶ月で集客に効果を実感した媒体として、自社HPが48.5%(前回2025年7月調査の42.2%から+6.3pt)で最も高く、次いでSNS広告(有料)が46.3%、SNS投稿(オーガニック)が45.5%と続いた。ポータルサイトは26.9%、紙チラシ・DMは33.6%だった。

この数字が意味するのは、上位3チャネルが僅差で拮抗しているということだ。つまり動画は「SNSだけの素材」ではなく、自社HPの施工事例ページ、SNS広告のクリエイティブ、SNS投稿のオーガニック発信という3つの場所に使い回せて初めて、費用対効果が最大化する。1本の動画を撮って終わりにせず、尺やアスペクト比を変えて複数チャネルに展開する前提で予算配分を考えたい。

私たちの撮影チームでも、施工現場のインタビューでは目立たない場所にカメラを置き、職人やお客様にカメラを意識させない自然な受け答えを撮ることを常に意識している。台本どおりに演じてもらうよりも、素の作業風景や素の会話のほうが、検討者には「リアルな現場」として伝わりやすく、演出コストもかからない。


費用を抑えながら発信を続けるコツ

動画制作費用のタイプ別内訳を積み木のブロックで表した図解
  1. まず1件の施工事例を「型」として作り、以降の現場は同じ構成・同じ画角で撮って編集の手間を減らす
  2. お客様インタビューは台本を作り込みすぎず、聞きたい質問を3〜4個決めておく程度にとどめる
  3. リフォーム現場は着工前・工事中・完成後の定点撮影を必ず入れる(追加コストがほぼゼロで説得力が上がる)
  4. ドローン撮影は複数現場をまとめて1回の飛行日に集約すると、機材・操縦者の費用を分散できる

補助金・助成金を動画制作に活用できないか確認するのも、費用を抑える有効な手段だ。制度の考え方は動画制作に補助金・助成金は使えるかにまとめている。

よくある質問

Q. 工務店の動画は新築とリフォーム、どちらを先に撮るべきか?

A. 現在依頼が多い方、または今後注力したい方を優先すればよいが、2026年度のリフォーム市場は7.7兆円まで拡大が見込まれている。リフォームのビフォーアフター事例をまだ持っていない工務店は、優先度を上げる価値がある。

Q. 動画は何本あれば十分か?

A. 決まった本数はないが、まずは施工事例紹介・お客様インタビュー型を1〜2本作り、そこから15〜60秒のSNSショート動画に切り出して自社HP・SNS広告・SNS投稿の3チャネルに使い回す設計が現実的だ。

Q. ドローン撮影は必須か?

A. 必須ではない。ただし外観や立地、外構、周辺環境まで一目で伝えたい注文住宅では、検討効果を重視するなら組み合わせを検討する価値がある。

まとめ

工務店の動画制作費用は、施工事例紹介・お客様インタビュー型で30万〜60万円、完成披露・密着ドキュメンタリー型で60万〜120万円が一つの目安になる。ただし、新設住宅着工が減りリフォーム市場が拡大するという構造変化の中で、金額以上に大事なのは「新築だけでなくリフォーム現場も撮る」「1本の動画を自社HP・SNS広告・SNS投稿の複数チャネルに使い回す」という配分の設計だ。

SNSでの集客術に関心があれば湘南の工務店がSNSで選ばれるにはもあわせて参考にしてほしい。次のステップとして、まずは直近の施工事例のうち「一番お客様に見せたい現場」を1件言語化することをすすめる。そこが定まれば、動画の構成も予算も自然と絞り込めるはずだ。

ルームツアー動画で内見を制する|湘南の不動産仲介活用術

湘南の賃貸物件でスタッフがスマートフォンとジンバルでルームツアー動画を撮影する様子

「内見の予約を入れたのに、当日連絡なくキャンセルされた」——湘南で賃貸仲介や管理を担当している人なら、一度はこういう経験があるのではないだろうか。遠方からの転勤・進学の問い合わせほど、この「来ない内見」が起きやすい。

結論から言えば、ルームツアー動画は内見前の比較検討を後押しする、いま費用対効果の高い一手だ。動画で先にふるいにかけてもらうことで、実際に足を運ぶ人の本気度が上がり、案内する側の手間も減っていく。

この記事では、内見数と成約率の一次データをもとに動画が果たす役割を整理したうえで、湘南の不動産仲介・管理会社が実際に何を撮り、どこに出せばよいかを、制作者の現場感覚で解説する。

  • 結論:賃貸の内見は平均2.7件で成約に至るとされ、動画は「本命候補」を絞り込むための事前フィルターになる
  • オンライン内見の利用率は約2割にとどまるが、対面派の内見前チェックにも動画そのものは使われている
  • 撮るべきは「通し歩き」「生活動線」「周辺環境」の3種。凝った演出より自然体の撮り方が信頼につながる

「内見2.7件で成約」
——数字が示す動画の役割

多数の物件候補が動画によって絞り込まれ本命候補に近づく様子を表すフラットデザイン図解

株式会社リクルートが運営するSUUMOリサーチセンターの「2022年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」(2023年9月29日発表)によれば、入居者が成約までに見学した物件数は平均2.7件だった。単純計算で、内見1件あたりの成約確率はおよそ37%になる。

この数字が意味するのは、「内見に呼ばれた時点で、すでに有力候補の一つに絞られている」ということだ。つまり内見の前段階——ネットで写真や間取りを見比べている段階——で、どれだけ候補から脱落せずに残れるかが勝負になる。ここで、静止画だけの物件情報との差になるのが動画の有無だ。

同センターの「2020年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」では、オンライン内見の利用率はオンラインのみが13.5%、対面との併用が6.2%で、合わせて約2割にとどまるという結果も出ている。裏を返せば、湘南のような地域でもまだ8割の人が対面での内見を選んでいるということだ。ここで効いてくるのが、対面内見の前に見る動画になる。オンライン内見ほどの手間をかけずに、対面前の絞り込みに動画を使う人は、この統計以上に多いと私たちは現場で感じている。


撮るべきルームツアーは3種類
——「通し歩き」「生活動線」「周辺環境」

私たちが賃貸物件の動画を制作する際、最初に整理するのは「何を撮るか」より「何を見せて安心してもらうか」だ。以下に、種類ごとの狙いと尺の目安を整理する。

種類 狙い 尺の目安
通し歩き(玄関→各部屋) 間取り図だけでは伝わらない広さ・動線の実感を伝える 1〜2分
生活動線(収納・水回り) 住んだときの使い勝手を先回りして見せる 30秒〜1分
周辺環境(駅・商店街・海) 湘南らしい立地の魅力を伝え、契約後の後悔を減らす 1分前後

表の中でも優先度が高いのは、通し歩きと生活動線の2つだ。周辺環境は湘南・平塚・大磯のような「暮らしの魅力込みで選ばれる」エリアでは特に効くが、撮影の手間を考えると通し歩きと生活動線から始めるのが現実的だ。

撮影は「カメラを意識させない自然体」を優先する

私たちが撮影現場で大切にしているのは、被写体にカメラを意識させすぎないことだ。ルームツアーは特に、演出を作り込みすぎるとかえって「盤石すぎる部屋」に見えてしまい、生活感のなさが不信感につながることもある。案内スタッフが実際に扉を開け閉めしながら歩く様子を、ありのままに近い温度感で撮るほうが、SNSに慣れた層には自然に届く。スマートフォンとジンバル程度の機材でも、この考え方さえ押さえれば十分に始められる。

動画をどこに出すか
——自社サイト・ポータル・SNSを1本で使い回す

賃貸物件の室内で収納や水回りの扉を開けながら生活動線を撮影する手元のクローズアップ

全国賃貸住宅新聞が2021年1月7日号(「部屋探しポータルの活用戦略」全6回シリーズ第4回)で報じたところによると、賃貸仲介のクラッシー・ホームズは2012年から動画を撮りためており、掲載物件のほぼ全てに動画をつけている。同社は月額140万円をポータルサイトへの広告出稿にかけ、月間299件の反響を得ているという。動画付きの物件ページは、そうでないページと並んだときにアイコンで一目でわかり、閲覧者の目を引きやすくなる、という同社の説明も紹介されている。

湘南の中小の仲介・管理会社が同じ予算をかけるのは現実的ではないが、「1本撮った動画を複数チャネルで使い回す」考え方は規模に関わらず有効だ。自社サイトの物件ページ、ポータルサイトの動画欄、InstagramやLINE公式アカウントへの再利用など、置き場所を変えるだけで届く相手が広がる。地域集客の文脈ではGoogleマップ(MEO)×動画で地域集客を強くするでも解説した通り、検索や地図経由の動線と組み合わせるとさらに効果が出やすい。

オンライン内見・IT重説の普及率から見る
湘南で動画が効く理由

国土交通省が宅建業者を対象に実施した令和5年度調査(公益財団法人不動産流通推進センター公表)では、IT重説の導入率が18%、重要事項説明書等の電子化(書面電子化)が11%にとどまるという結果だった。制度が使えるようになってから数年経つが、現場への浸透はまだこれからの段階にある。

この数字は、遠隔での取引そのものがまだ一般的でないことを示している。だからこそ、動画を「オンライン内見の代わり」として使うのではなく、「対面内見に進むかどうかを決める判断材料」として位置づけるのが、いまの湘南の実情に合っている。特に大学進学や転勤で遠方から平塚・大磯エリアの物件を探す人にとって、事前に部屋の雰囲気を動画で確認できるかどうかは、わざわざ現地に来て内見するかどうかの意思決定に直結する。

入居後のフォローにも動画は使い回せる

賃貸管理会社であれば、入居後の設備の使い方説明や、退去時の原状回復の目安を動画で残しておくことも有効だ。問い合わせ対応の手間を減らせるだけでなく、既存入居者との関係づくりにもつながる。LINE公式アカウントを使った継続的な情報発信についてはLINE公式アカウント×動画でリピーターを増やす|湘南の教室・店舗活用術で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてほしい。

1本の物件動画が自社サイト・ポータルサイト・SNS・LINEへ展開されていく様子を表すフラットイラスト

よくある質問

Q. ルームツアー動画は何分くらいが適切か?

A. 通し歩きなら1〜2分、生活動線や周辺環境は30秒〜1分が目安だ。長すぎる動画は最後まで見てもらえないため、物件の魅力が伝わる範囲で短くまとめるのがよい。

Q. 空室が埋まるたびに撮り直す必要があるか?

A. 間取りが同じであれば使い回せる場合が多い。ただし内装や家具の有無が変わった場合は、実際と違う印象を与えないよう撮り直しをすすめる。

Q. 動画制作にどれくらいの費用がかかるか?

A. 撮影・編集の内容次第で幅があるため、動画制作の費用相場【完全ガイド】で相場を整理している。まずは通し歩き動画1本から始めて、反響を見ながら本数を増やす進め方が現実的だ。

Q. 誇大な演出になっていないか、どう確認すればよいか?

A. 実際の広さ・眺望・生活動線と違う印象を与えていないかを、投稿前に自分たちで一度部屋を歩いて見比べるとよい。優良誤認表示に触れるおそれがある大げさな加工や演出は避けるべきだ。

まとめ

賃貸の内見は平均2.7件で成約に至るとされ、内見に呼ばれた時点ですでに有力候補の一つに絞られている。だからこそ、その前段階を制する動画の役割は大きい。通し歩き・生活動線・周辺環境という基本の3種類から、カメラを意識させない自然体の撮り方で始めれば、湘南の仲介・管理会社でも十分に取り組める。

次の一歩として、まずは自社の主力物件1つを通し歩き動画で撮ってみて、問い合わせの反応がどう変わるかを見てほしい。撮り方や活用先で迷う場合は、私たちのような制作者に一度相談してみることをすすめる。

建設業の動画制作費用相場|求人動画・会社紹介動画の内訳

湘南の建設現場でジンバルを使い求人動画を撮影する制作者

「求人サイトに載せても応募が来ない」「若手がまったく集まらない」——湘南エリアの建設業の経営者と話していると、こうした悩みを聞かない月はない。人手不足はどの業種でも言われることだが、建設業はその中でも深刻さが際立っている。

結論から言えば、建設業の動画制作は「会社紹介型」「現場密着ドキュメンタリー型」「ドローン空撮併用型」「SNSショート型」でおおよその価格帯が決まっており、目的をどれだけ絞り込めるかで数十万円単位の差が出る。この記事では、私たちが湘南エリアの建設業のお客様から相談を受ける中でよく提示している価格帯の目安と、費用に差が出る要因、そして費用を抑えながら効果を出すための考え方を整理する。

この記事では、建設業がなぜ動画に投資すべきなのかというデータの裏付けから、実際の費用相場、費用を左右する要因、そして予算を抑えるコツまでを一気に解説する。

  • 結論:建設業の動画は「会社紹介型」で30万〜60万円、「現場密着ドキュメンタリー型」で60万〜120万円が目安
  • 建設業の有効求人倍率は全産業平均を大きく上回っており、求人広告だけでは差別化しづらい
  • 費用を左右するのは尺の長さより「撮影日数」と「インタビューの本数」

建設業がいま動画に投資すべき理由
——求人倍率と高齢化のデータ

建設業の人手不足は感覚論ではなく、統計にはっきり表れている。国土交通省の国土交通白書によると、2024年時点で建設業就業者のうち55歳以上が占める割合は36.7%(全産業平均32.4%)、29歳以下は11.7%(全産業平均16.9%)にとどまる。全産業と比べて高齢化が明確に進んでおり、若手の入職が細っている状態だ。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」(令和8年3月分)でも、全産業の有効求人倍率が1.18倍であるのに対し、建設業の新規求人数は前年同月比で増加が続いている。専門職種に絞ればさらに倍率が跳ね上がることは現場の採用担当なら実感しているはずだ。求職者1人を複数の会社が取り合う状況では、求人票の文字情報だけで「選ばれる会社」になるのは難しい。

建設業の人手不足と有効求人倍率の高さを表す図解

こうした状況で動画が効くのは、建設業に長年つきまとう「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージと、実際の現場との差を埋められるからだ。建設業の採用難は動画で変えられるかでも触れたように、現場の空気感・チームの雰囲気・実際の待遇は、文字の求人票よりも映像のほうが圧倒的に伝わりやすい。

建設業の動画制作費用相場
——タイプ別の価格早見表

建設業のお客様からいただく相談内容をもとに、私たちが提示することが多い価格帯を整理すると次のようになる。以下に相場を整理する。

タイプ 尺の目安 費用相場
会社紹介・求人動画型 2〜3分 30万〜60万円
現場密着ドキュメンタリー型 3〜5分 60万〜120万円
ドローン空撮併用型 2〜4分 80万〜150万円
SNSショート動画セット 15〜60秒×複数本 20万〜50万円(セット)

まず作るなら会社紹介・求人動画型が起点になることが多い。予算に余裕があれば、社員インタビューを深く掘る現場密着ドキュメンタリー型や、現場のスケール感を見せられるドローン空撮併用型を組み合わせると訴求力が上がる。より詳しい制作全体の相場観は採用動画の費用相場はいくら?もあわせて参考にしてほしい。


費用に差が出る要因
——尺より撮影日数とインタビュー本数

見積もりを見て「同じ3分の動画なのになぜこんなに価格差があるのか」と疑問に思う経営者は多い。制作者として現場に立つと分かるが、価格を決める最大の要因は完成尺の長さではなく、撮影にかかる日数とインタビューの本数だ。

価格に影響する主な要因

  1. 撮影日数(現場が複数拠点に分かれるほど加算される)
  2. 社員インタビューの人数(1人と3人では撮影・編集の手間が大きく変わる)
  3. ドローン撮影の有無(操縦者の手配・許可申請が必要になる場合がある)
  4. 編集の修正回数(通常2〜3回までが目安。超過分は追加費用になりやすい)

修正回数や追加費用の考え方については動画制作の見積書、追加費用が発生しやすい項目とはでも整理しているので、発注前のすり合わせに使ってほしい。

費用を抑えながら効果を出すポイント

動画制作費用のタイプ別内訳を表す図解

予算を抑えたいなら、演出を作り込みすぎないという選択肢を考えてほしい。私たちの撮影チームでは、目立たぬ場所にカメラを置き、現場の人にカメラを意識させない自然体の映像を撮ることを常に意識している。台本どおりに演じてもらうより、素の作業風景や素の会話のほうが、求職者には「リアルな現場」として伝わりやすく、演出コストもかからない。

実際、求人広告への動画活用効果を検証したパーソルキャリア株式会社(doda)の実証実験(2024年3月発表)では、インタビュー動画付きの求人広告は、動画のない求人広告と比べて応募効果が140%(1.4倍)に向上したという結果が出ている。作り込んだCM的な映像でなくても、現場の生の声を1本入れるだけで応募への動機付けは十分に効くということだ。

補助金・助成金を活用できないか確認するのも費用を抑える有効な手段だ。制度の種類や申請の考え方は動画制作に補助金・助成金は使えるかにまとめている。

よくある質問

Q. 建設業の求人動画は最低いくらから作れますか?

A. 会社紹介型でインタビュー1〜2名程度に絞れば、30万円台から着手できることが多い。予算を最小化したい場合は、撮影日数を1日に収める構成にするのが現実的だ。

Q. ドローン撮影は必須ですか?

A. 必須ではない。ただし大型現場や複数拠点を持つ会社では、現場のスケール感を一目で伝えられるため、採用効果を重視するなら検討する価値がある。

Q. 動画を作れば本当に応募は増えますか?

A. 動画単体で応募が保証されるわけではないが、パーソルキャリアの実証実験では動画付き求人広告の応募効果が1.4倍になった結果がある。求人媒体への掲載と組み合わせて使うことで効果が出やすい。

まとめ

建設業の動画制作費用は、会社紹介・求人動画型で30万〜60万円、現場密着ドキュメンタリー型で60万〜120万円が一つの目安になる。価格を左右するのは尺の長さより撮影日数とインタビューの本数であり、演出を作り込みすぎないことがコストと効果の両立につながる。

有効求人倍率の高さと就業者の高齢化という構造的な課題がある以上、求人票だけで戦う時代はすでに終わりつつある。次のステップとして、まずは自社が求職者に一番伝えたい「現場のリアル」がどこにあるかを言語化することをすすめる。そこが定まれば、動画の構成も予算も自然と絞り込めるはずだ。

建設業の採用難は動画で変えられるか|求人倍率7倍時代の打ち手

湘南の建設現場で採用動画を撮影する様子

「求人を出しても、現場系の応募がまったく来ない」——平塚・大磯エリアの建設会社の経営者と話していて、この悩みを聞かない月はない。求人サイトに載せても、折り込みチラシを増やしても、反応が薄いという声が続いている。

結論から言えば、採用動画は応募数そのものを保証する魔法の道具ではない。だが、「応募する前に会社と現場を正しく理解してもらう」という、採用活動でいちばん抜け落ちやすい工程を埋めることはできる。文字と写真だけの求人情報では伝わらない、現場の空気や人の表情は、動画でしか渡せない情報だからだ。

この記事では、建設業の採用難がどれほど深刻なのかを統計で確認したうえで、採用動画がなぜ効くのか、何を撮ればいいのか、費用感はどれくらいかを、湘南で撮影と編集の現場に立つ制作者の視点から解説する。

  • 建設躯体工事従事者の有効求人倍率は7倍台(2026年1月時点)で、全職業平均の6倍超の水準にある
  • 採用動画の役割は「応募数を増やす」こと以上に「ミスマッチを減らし、応募後の歩留まりを上げる」ことにある
  • 3Kイメージの払拭には、作り込んだイメージCMより現場をそのまま見せる密着型が向いている

建設業の採用難——数字で見る現在地

まず、建設業の人手不足がどの水準にあるのかを数字で押さえておきたい。厚生労働省の職業安定業務統計によると、建設躯体工事従事者の有効求人倍率は2026年1月時点で7.48倍に達している。全職業計の有効求人倍率が1.14倍であることを踏まえると、実に6倍超の開きがある水準だ。求職者1人に対して求人が7件以上ある計算で、選ぶのは会社ではなく求職者の側になっているということになる。

国土交通省が実施している「建設労働需給調査」(令和8年5月調査)でも、全国8職種の過不足率は1.2%の不足となり、前月・前年同月からさらに不足幅が拡大したと報告されている。景気の波はあっても、建設業の人手が構造的に足りない状態が続いていることが、複数の統計から裏付けられている格好だ。

この数字が意味するのは、求人票の見た目を多少整えたところで応募が急増するような状況ではない、ということだ。求職者に選ばれる側に回るためには、会社の中身そのものを、応募前の段階でどれだけ正確に伝えられるかが勝負になる。

なぜ動画が「採用の入り口」を変えるのか

建設業には長年、「きつい・汚い・危険」という3Kのイメージが根強く残っている。求人票の文章だけでこのイメージを覆すのは難しい。だが動画なら、実際の現場の安全対策、休憩時間の雰囲気、先輩と若手のやり取りといった、言葉にすると陳腐になりがちな情報を、そのままの温度で見せることができる。

動画制作会社moovyが公開している採用動画の事例集では、第一工業株式会社が採用動画を活用した結果、スカウトメールへの返信率が上昇し、内定承諾率も伸長したと報告されている。数字の規模は企業ごとに違うだろうが、「応募・内定という意思決定の手前で動画が背中を押した」という構図は、建設業に限らず共通する動きだと見ていい。

現場を知る私たちから見ると、採用動画で失敗しやすいのは、モデルのような若手を立てて綺麗に撮りすぎるケースだ。求職者は演出された映像を見抜く。私たちの撮影チームでは、常に目立たない場所にカメラを置き、「カメラを意識させない自然体」を意識して撮る——という経験則を持っているが、これは会社紹介動画だけでなく採用動画でも同じことが言える。作り込みすぎない現場の空気こそが、応募者の警戒心を解く。


効果が出やすい採用動画の型

建設業の人手不足を表す図解

建設業の採用動画には、いくつかの型がある。会社の規模や採用したい人物像によって、向き不向きが分かれる。以下に代表的な型を整理する。

型 内容 向いている会社
1日密着ドキュメンタリー型 朝礼から退勤までを追い、現場のリアルな1日を見せる 職場の雰囲気の良さを伝えたい会社
若手社員インタビュー型 入社2〜3年の若手に本音で語ってもらう 未経験者・若年層を採用したい会社
技術・こだわり紹介型 職人技や施工へのこだわりを見せる 専門性の高い即戦力人材を採用したい会社

表の中で特に反応が良いのは、若手社員インタビュー型だ。求職者と年齢の近い先輩が、入社前の不安と入社後の実感を自分の言葉で話す映像は、求人票のどんな文言よりも説得力を持つ。

制作の進め方——小さく始めて構わない

建設現場の若手社員にインタビューする様子

採用動画と聞くと大掛かりな撮影を想像しがちだが、最初から映画のような映像を目指す必要はない。むしろ建設業の採用動画は、以下のような手順で小さく始めるほうがうまくいくことが多い。

  1. 採用したい人物像のヒアリング(未経験者か、経験者か)
  2. 登場してもらう社員の選定と簡単な質問リストの用意
  3. 現場での撮影(半日〜1日が目安)
  4. 編集・テロップ入れ・求人媒体向けの尺調整

費用の相場については別記事「動画制作の費用相場【完全ガイド】」で種類別・尺別に整理しているので、予算感を確認したい場合はそちらも参照してほしい。採用動画そのものの目的や基本設計については「採用動画とは?応募が増える理由と費用・作り方」でも詳しく解説している。

なお、動画は採用サイトに載せるだけでなく、SNSでの発信と組み合わせることでさらに接触機会が増える。湘南エリアの工務店がSNSでどう選ばれる会社になっているかは「湘南の工務店がSNSで「選ばれる会社」になるには」にまとめている。

よくある質問

Q. 採用動画を作れば応募は本当に増えるか?

A. 動画単体で応募数の増加を保証するものではない。ただし、応募前に企業理解を深める効果は複数の事例で報告されており、応募後のミスマッチ・早期離職を減らす方向に働きやすい。

Q. 予算をかけられない小規模な会社でもできるか?

A. できる。若手社員インタビュー型であれば、スマートフォンと簡単な質問リストだけで撮影できる。作り込みすぎない自然な映像のほうが、求職者の信頼を得やすい。

Q. 何人くらいの会社から採用動画を検討すべきか?

A. 人数の目安は特にない。求人媒体だけで応募が集まりにくいと感じ始めた時点が、検討を始める適切なタイミングだ。

まとめ

建設躯体工事の有効求人倍率が7倍を超える今、求人票の文言を磨くだけでは応募は増えない。求職者が本当に知りたいのは、現場の空気と、そこで働く人の表情だ。

採用動画は、その情報を応募前の段階で渡すための手段にすぎない。大掛かりな企画書は要らない。まずは自社の何を見せれば求職者の不安が減るのかを、社内で言語化することから始めることをすすめる。

その言語化の段階からで構わないので、私たちのような制作者に一度相談してみるのも一つの手だ。何を撮るべきかの整理だけでも、次の一歩が見えてくるはずだ。