飲食店の動画制作費用相場|湘南の店がメニュー・SNS動画にかける目安

湘南の海沿いの飲食店で、料理を仕上げる店主の手元をカメラで撮影する様子

「動画をやったほうがいいのは分かっている。でも、いくら払えば何が手に入るのかが分からない」——平塚の駅前で定食屋を営む店主や、大磯の海沿いでカフェを切り盛りするオーナーと話していると、こうした声を本当によく聞く。原材料費も人件費も上がり続ける中で、効果の見えない出費は避けたい。その感覚はもっともだ。

結論から言えば、飲食店の動画制作費用は、ショート動画の編集のみ外注なら1本数千円〜2万円程度、撮影から編集まで任せるショート動画セット(5〜10本)で10万〜30万円、1〜2分の店舗紹介動画で15万〜50万円が一つの目安になる。ただ、金額以上に大事なのは「どの動画を誰が作るか」という分担の設計だ。毎日の発信まで外注する必要はない。

この記事では、外食産業の最新の市場データと、消費者・飲食店双方のSNS調査をもとに、湘南の飲食店が動画にかけるべき予算の考え方と種類別の費用相場を、制作者としての現場感覚を交えて整理する。

  • 結論:ショート動画セット(5〜10本)は10万〜30万円、店舗紹介動画は15万〜50万円が目安
  • 2025年の外食売上は前年比107.3%と伸びたが、主因は客単価の上昇。客数は頭打ち感が出始めている
  • お客様はショート動画で店を探しているのに、動画系SNSを使っていない店はまだ多い。この差が湘南の個人店のチャンスになる

飲食店の動画制作費用相場
——種類別の価格早見表

飲食店の動画は、大きく「日々のショート動画」「看板メニューや店の世界観を伝える紹介動画」「採用動画」の3種類に分かれ、依頼の範囲によって費用が一桁変わる。以下に、依頼先・内容別の一般的な相場を整理する。

依頼の種類内容の目安費用相場(目安)
内製(スマホ撮影・アプリ編集)日替わり・新メニュー告知のショート動画実質0円(人件費・時間のみ)
編集のみ外注スマホで撮った素材を15〜60秒に編集1本 数千円〜2万円程度
ショート動画セット(撮影+編集)プロが半日〜1日撮影し、5〜10本に編集10万〜30万円
店舗紹介・コンセプト動画1〜2分。料理・内観・店主インタビュー15万〜50万円
採用動画1〜3分。スタッフインタビュー・仕事風景30万〜80万円
SNS運用代行(動画制作込み)企画・撮影・投稿・分析を月単位で依頼月5万〜20万円程度

数字はあくまで制作者側から見た一般的な目安で、撮影日数・本数・ドローンや出演者の有無で上下する。個人経営の店舗全般の予算感については小規模店舗が動画にかけられる予算の考え方でも整理しているので、あわせて参考にしてほしい。

費用を大きく左右するのは「撮影日数」と「本数」

見積もりの中で最も比重が大きいのは、カメラマンが現場にいる時間だ。飲食店の場合、ランチとディナーの間のアイドルタイムに撮影を詰め込めれば半日で済むが、仕込み・営業中の臨場感まで撮るなら1日がかりになる。逆に言えば、1回の撮影日で何本分の素材を撮り溜めるかを先に決めておくだけで、1本あたりの単価はぐっと下がる。

売上は伸びても客数は頭打ち
——外食データで見る「動画に投資すべき理由」

今の外食市場は「客単価で売上を保っている」状態であり、価格以上の価値をお客様に伝える手段として動画の重要性が増している。

一般社団法人日本フードサービス協会が2026年1月26日に公表した「外食産業市場動向調査 令和7年(2025年)年間結果」によると、協会会員社の全店売上高は前年比107.3%と伸びた。ただしその内訳は客単価104.3%、客数102.9%で、売上の押し上げ要因は原材料高に伴うメニュー価格の改定だった。同調査は消費者の節約志向が一段と強まっていることや、一部の業態で客数が前年を下回ったことにも触れている。

業態(2025年)売上高 前年比客数 前年比客単価 前年比
外食全体107.3%102.9%104.3%
ファミリーレストラン107.2%103.1%103.9%
パブレストラン/居酒屋104.0%101.3%102.6%
喫茶109.8%101.1%108.6%

出典:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査 令和7年(2025年)年間結果報告」(全店データ)。

この数字が湘南の個人店に意味するのは、「値上げをしても選ばれる理由」を伝えられる店と、そうでない店の差が広がっていくということだ。考えてみてほしい。メニュー表の価格だけを見たお客様は「高くなった」と感じるが、地場の野菜を仕込む手元や、相模湾で揚がった魚をさばく様子を15秒の動画で見たお客様は、同じ価格を「納得の値段」と受け止めやすい。動画への出費は、値上げ時代の説明コストだと考えると判断しやすくなる。

お客様はショート動画で店を探している
——店側との「温度差」がチャンスになる

お客様の店探しはすでにショート動画が主戦場になりつつあるが、飲食店側の動画活用はまだ追いついていない。だからこそ、今動画に予算を割く店は目立ちやすい。

スマートフォンのショート動画で飲食店を見つけて保存する若い世代のイメージ図解

ファストマーケティング株式会社が2025年4月21日に発表した調査(SNSで情報収集する15〜29歳のZ世代360名が対象)では、80.8%が「SNSや動画サイトで気になる飲食店に出会う」と回答し、71.7%がリールやショート動画で飲食店の情報を集めていた。気になった店の保存先はInstagramが71.2%、Googleマップが61.1%で、75.0%が「画像・動画で情報を得るほうが効率的」と答えている。

一方、飲食店ドットコムが2023年8月に飲食店の経営者・運営者342名を対象に行った調査では、情報発信にTikTokを「活用していない」店が69.9%、YouTubeを「活用していない」店が59.9%にのぼった(2023年時点)。お客様は動画で店を探しているのに、半数以上の店は動画系SNSに出ていない——この温度差こそが、湘南の小さな店が大手チェーンと同じ土俵で見つけてもらえる余地だ。動画の販促効果そのものについては飲食店の販促に動画が効くのかを整理した記事で詳しく解説している。

予算別のおすすめ配分
——月1万円・年10万円・年30万円の使い方

飲食店の動画予算は「全部外注」か「全部内製」かの二択ではなく、日々の発信は内製、型になる動画だけ外注という配分にすると、少ない予算でも効果を出しやすい。以下に予算帯ごとの使い方の一例をまとめる。

予算帯おすすめの使い方向いている店
月1万円前後スマホで撮った素材の編集だけを外注し、週1〜2本を投稿まず発信を習慣化したい個人店
年10万〜30万円年1〜2回プロが撮影し、看板メニュー・内観のショート動画を5〜10本まとめて制作新規客を増やしたいカフェ・定食屋
年30万〜80万円店舗紹介動画+ショート動画セットを作り、HP・Googleマップ・SNSに使い回す新店・リニューアル・2店舗目の出店時

どの予算帯でも、プロに撮ってもらった動画は「お手本」として残る。構図やテンポを真似して日々の投稿を内製すれば、外注費は一度きりでも発信の質は長く底上げされる。日々の内製のコツはメニュー紹介動画を内製で続けるための現場ガイドにまとめた。

厨房では「カメラを意識させない」撮り方が効く

私たちの撮影チームでは、常に目立たない場所にカメラを置き、店主やスタッフにカメラを意識させない自然体の姿を撮ることを大切にしている。厨房での調理シーンは特にそうで、台本どおりの「よそ行き」の手つきより、いつものリズムで鍋を振る姿のほうが、見る人には店の空気としてまっすぐ伝わる。演出に時間をかけないぶん、撮影時間も短く済み、結果的に費用も抑えやすい。


見積もりで損しないための確認ポイント

飲食店が動画を発注するときは、金額の総額よりも「何が含まれているか」を先に確認すると、後からの追加費用を防ぎやすい。

動画制作の見積書をチェックリストで確認する飲食店オーナーのイメージ図解
  1. 撮影時間は何時間か(仕込み・営業中・アイドルタイムのどこを撮るか)
  2. 納品本数と尺、縦型(9:16)と横型(16:9)の両方が含まれるか
  3. 修正は何回まで無料か、BGMやフォントの使用料は含まれているか
  4. 撮影素材(未編集データ)を店側でも受け取れるか
  5. 店頭・Googleマップ・Instagramなど、どの媒体で使う前提の権利になっているか

特に5つ目は見落とされがちだ。後から店内のデジタルサイネージや求人広告に流用したくなったときに、追加料金が発生するケースがある。最初に「どこで使うか」を伝えておくのが、結果的に一番の節約になる。

よくある質問

Q. 飲食店の動画制作費用の相場はいくらか?

A. ショート動画の編集のみ外注なら1本数千円〜2万円程度、撮影から編集までのショート動画セット(5〜10本)で10万〜30万円、1〜2分の店舗紹介動画で15万〜50万円がおおよその目安だ。依頼先や撮影日数、本数によって大きく変わるため、必ず複数の見積もりで内訳を比べてほしい。

Q. 個人経営の飲食店でも動画を外注する意味はあるか?

A. ある。毎日の投稿はスマホで内製し、看板メニューの「型」になる数本だけをプロに撮ってもらう分担にすれば、年間の外注費を抑えながら発信の質を底上げできる。

Q. 店舗紹介動画とショート動画、先に作るならどちらか?

A. 新規客の獲得が目的なら、先にショート動画をすすめる。Z世代の約7割がリールやショート動画で飲食店の情報を集めているという調査があり、まず見つけてもらう入口を作るほうが費用対効果が出やすい。

まとめ

飲食店の動画制作費用は、編集のみの外注なら1本数千円〜2万円程度、ショート動画セットで10万〜30万円、店舗紹介動画で15万〜50万円が一つの目安になる。2025年の外食市場は客単価の上昇で売上を伸ばした一方、客数は頭打ち感が出始めており、「値上げしても選ばれる理由」を伝える手段として動画の価値は確実に高まっている。

お客様の多くはすでにショート動画で店を探しているが、動画系SNSに出ていない店はまだ少なくない。平塚や大磯の小さな店にとって、これは大手と同じ画面で見つけてもらえる貴重な機会だ。全部を外注する必要はなく、日々の発信は内製、看板になる数本だけをプロに任せる配分から始めればよい。

次のステップとして、まずは「お客様に一番見てほしい一皿と、その一皿ができるまでの場面」を一つ言語化することをすすめる。そこが決まれば、撮るべき動画も、かけるべき予算も自然と絞り込めるはずだ。

この記事を書いた人:伏見 剛彦(合同会社Mireyes 代表)
呉服・不動産・アパレル・製造・教育と多業界を経験後、フリーランスを経て2026年に法人化。 企業案件TikTokの運用初月100万再生、3ヶ月連続300万再生超などの実績を持つ映像・SNSの制作者。 平塚・大磯・湘南エリアの中小企業のPR・採用動画とSNS運用を手がける。

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