個人店の動画予算はいくら?|湘南の小規模店舗向けガイド

スマホで動画のタイムラインを確認する個人店の店主

「動画をやったほうがいいのは分かっている。でも、うちみたいな小さな店に一体いくらかけていいのか見当がつかない」——平塚や大磯で個人店を営む経営者から、私たちがよく受ける相談だ。

結論から言えば、個人店・小規模店舗の動画予算は「大きな制作会社に大金を払うか、諦めるか」の二択ではない。数千円のクラウドソーシング発注から、内製でほぼゼロ円まで、選べる幅は思っている以上に広い。

この記事では、動画市場全体の伸びと個人店の実際の予算感のギャップ、発注先別の費用の目安、公的な補助金の使い方までを、制作者の立場から整理する。

  • 結論:個人店の動画予算は「内製」「クラウドソーシング外注」「制作会社に外注」の3段階で考えると判断しやすい
  • クラウドソーシングの相場はショート動画編集が3,000円〜、企業・店舗紹介ムービーは120,000円〜が目安(クラウドワークス公式データ)
  • 小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費(動画制作を含む)は上限50万円・補助率2/3で活用できる

動画広告市場は1兆円超え——
だが個人店の予算感はそこと別物だ

電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日発表)によると、動画(ビデオ)広告市場は前年比121.8%の1兆275億円となり、統計開始以来初めて1兆円を突破した。2026年は前年比114.7%の1兆1,783億円まで伸びると予測されている。

この数字だけを見ると、動画に大きな予算を割かなければ取り残される、と身構える個人店主もいるかもしれない。だが実際にこの1兆円市場を動かしているのは、広告代理店を通じて数百万円単位の運用型広告を回す大手企業群だ。平塚・大磯で数人規模の店を切り盛りする経営者が、同じ土俵で予算を張り合う必要はない。

私たちが個人店の相談を受けるときにまず伝えるのは、「動画市場の伸び」と「あなたの店にとって必要な予算」は別の数字だということだ。市場全体が伸びているからこそ、逆に低予算でも動画を出している店とそうでない店の差が、検索結果やSNSのタイムライン上で目立ちやすくなっている——というのが正しい捉え方だと考えている。

発注先別・個人店が動画にかけられる費用の目安

大きな市場規模と個人店の予算規模の差を表すフラットイラスト

以下に、個人店が実際に選べる発注先ごとの費用目安を整理する。

発注先・手段 想定内容 費用目安
内製(スマホ撮影・編集) ショート動画1本 実質0円(機材はスマホのみ)
クラウドソーシング(個人) ショート動画の編集のみ依頼 3,000円〜/本
クラウドソーシング(個人) YouTube動画編集(15分尺) 8,000円〜/本
クラウドソーシング(個人) 商品PRムービーの撮影 100,000円〜
動画制作会社 企業・店舗紹介ムービー(絵コンテ・素材あり) 120,000円〜

表からも分かる通り、「撮る」だけなら数千円から始められるが、「構成を考えて、撮って、編集して、一つの動画にまとめる」までを丸ごと任せると、桁が一つ上がる。個人店の多くは、まず自分たちで撮影しクラウドソーシングで編集だけを依頼する、というハイブリッドから始めるのが現実的だ。この内製と外注の使い分けの考え方は動画制作は内製と外注どちらが得か?判断基準と費用比較で詳しく解説している。

小規模事業者持続化補助金——
個人店が使える公的支援

個人店が公的な補助金支援を受けるイメージのフラットイラスト

予算そのものを増やす手段として見落とされがちなのが、公的な補助金だ。中小企業庁の「小規模事業者持続化補助金」は、一般型(通常枠)で補助上限50万円、賃金引上げ特例などの要件を満たせば最大250万円まで引き上げられる、小規模事業者向けの代表的な補助金だ。補助率は2/3(赤字事業者は3/4)となっている。

この補助金では、動画制作費は「ウェブサイト関連費」という経費区分に計上できる。ただしウェブサイト関連費は、補助金交付申請額全体の1/4かつ上限50万円までという制約があり、動画単体で申請額を組み立てることはできない。あくまで販路開拓の取り組み全体の一部として、動画を位置づける必要がある。詳しい活用の判断基準は動画制作に補助金・助成金は使えるかにまとめている。

私たちの現場感覚でも、平塚・大磯エリアの個人店から「補助金を使って動画を作りたい」という相談は年々増えている印象がある。ただし補助金は採択後の入金であり、制作費は基本的に事業者側が一旦立て替える必要がある点は、資金繰りの面で必ず押さえておいてほしい。

限られた予算でも成果を出す、個人店の動画の始め方

スマホと三脚で自然体の店内風景を撮影する様子

予算をかけられないなら、質を落とすしかないのか——そう思われがちだが、必ずしもそうではない。私たちが撮影の現場で常に意識しているのは、カメラを意識させない自然体を撮ることだ。凝った台本や高価な機材よりも、被写体に「撮られている」ことを意識させすぎない距離感のほうが、見る人の心に残る。これは大掛かりな予算がなくても、個人店が自力で実践できる考え方だ。

例えば大磯の雑貨店であれば、開店前の品出しの様子をスマホで数十秒撮るだけでも十分な素材になる。学習塾であれば、講師と生徒の何気ないやり取りを切り取るだけで、パンフレットには出せない「教室の空気」が伝わる。業種を問わず、まずは1本、低予算で作ってみて、反応を見ながら次の予算配分を決めていく——という順序をすすめたい。

よくある質問

Q. 個人店の動画予算は、最低いくらから始められますか?

A. スマホでの撮影・編集を内製で完結させれば、実質0円から始められる。外部に一部だけ依頼する場合は、クラウドソーシングでのショート動画編集が3,000円程度から選べる。

Q. 動画制作会社に頼むと高くなりすぎますか?

A. 企業・店舗紹介ムービーのような凝った内容は120,000円前後からが目安になる。ただし内容によって幅が大きいため、内製できる部分とプロに任せる部分を切り分けて相談すると、想定より費用を抑えられることが多い。

Q. 補助金は動画制作だけのために使えますか?

A. 小規模事業者持続化補助金では、動画制作費は「ウェブサイト関連費」の枠内(交付申請額の1/4・上限50万円)に含まれる形になり、動画単体を目的とした申請にはならない。販路開拓の取り組み全体の一部として位置づける必要がある。

まとめ

個人店・小規模店舗の動画予算は、動画広告市場全体の伸び(電通調査で1兆円超)とは切り離して考えてよい。内製ならほぼ0円、クラウドソーシングなら数千円〜、制作会社なら10万円台からと、選べる幅は広い。

まずは自分たちの店が「単発で試したいのか」「継続して発信したいのか」を言語化することをすすめる。単発であれば内製かクラウドソーシング、継続するなら補助金の活用も含めて予算計画を立てるとよい。動画制作費用の全体像は動画制作の費用相場【完全ガイド】にも整理しているので、あわせて参考にしてほしい。

私たちも無料相談を受け付けている。平塚・大磯エリアで動画にどのくらいの予算をかけるべきか迷っている個人店の方は、まず今感じている悩みを気軽に聞かせてほしい。