お客様の声・口コミ動画の活かし方|湘南の店舗が信頼を得る方法

湘南の不動産会社でお客様の声を自然に語ってもらう様子を小型カメラで撮影している場面

「うちは良い店なんです」と口では言われても、初めて来る客にはなかなか伝わらない。湘南エリアで動画制作の相談を受けていると、口コミサイトの星の数だけでは伝えきれない魅力を抱えている事業者に数多く出会う。

結論から言えば、その「伝わらなさ」を最も効率よく埋めるのが、実際の利用者に語ってもらう「お客様の声動画」だ。文章のレビューよりも短い時間で、表情や声のトーンごと相手に届けられるため、初めての人が抱く不安を大きく減らせる。

この記事では、お客様の声動画がなぜ今あらためて重要なのか、業種ごとに何を撮ればいいか、そして信頼される撮り方・公開の仕方までを、制作者の視点で整理する。

  • 結論:お客様の声動画は「初めて利用する人の不安」を最も効率よく減らせるコンテンツだ
  • クチコミを参考に購入・利用した経験がある人は85.9%にのぼる(ホットリンク調査・2026年)
  • 文字だけの口コミより「写真や動画がある」口コミのほうが信頼されやすい

お客様の声動画がなぜ今効くのか
——2つの調査が示す数字

株式会社ホットリンクが2026年5月27日〜6月3日に実施した「クチコミが購買に与える影響調査2026」(日本在住1,000名対象)によると、クチコミを参考に商品・サービスを購入した経験がある人は85.9%にのぼった。さらに「信頼できるクチコミの条件」を尋ねた設問では、「実際に購入・利用した人の体験が書かれている」が81.4%で最多となり、「良い点・悪い点の両方が書かれている」も59.8%と高い割合を占めた。

この調査ではクチコミの参考先として「YouTube」が27.2%にのぼり、信頼できる条件として「写真や動画がある」を挙げた人も37.4%存在した。文字だけの口コミよりも、実際に話している姿が見える口コミのほうが一段強い説得材料になっていることがうかがえる。

米国の調査会社BrightLocalが2026年2月に公表した「Local Consumer Review Survey 2026」(米国成人消費者1,002名対象)でも、星4つ以上のレビューを求める消費者が68%(前年は55%)まで上昇しており、YouTube・Instagram・TikTokといった動画プラットフォームがレビュー確認の場として存在感を増していると報告されている。国は違えど、文章だけのレビューでは判断材料として物足りなくなっている消費者心理の流れは、日本の湘南エリアの店舗選びにも同じように及んでいると私たちは見ている。

この2つの数字が湘南の事業者にとって意味するのは、「星の数」だけを増やそうとする発想の限界だ。星評価は嘘ではないが、なぜその評価をつけたのかという理由までは伝えきれない。理由の部分——何に困っていて、何が決め手になったのか——を本人の言葉と表情で見せられるかどうかが、これからの比較検討で選ばれるかどうかの分かれ目になる。

業種別・何を「お客様の声」として撮ればいいか

動画による口コミが文字だけの口コミより信頼されることを示すフラットイラスト

「お客様の声」と一口に言っても、業種によって聞くべき相手も内容もまったく違う。私たちは呉服・不動産・アパレル・製造・教育など幅広い業種の映像制作に関わってきたが、業種ごとに「決め手になった一言」は驚くほど違う。以下に、湘南エリアでよく相談を受ける業種を例に整理する。

業種 誰に聞くか 聞く内容の例
不動産会社 最近成約した購入者・入居者 この物件・担当者に決めた理由
学習塾 在籍・卒塾した生徒の保護者 入塾前の不安と、通ってからの変化
飲食店 常連客(負担にならない範囲で) よく頼むメニューとその理由
小売店 リピーター 実際の使い方・買ってよかった点

不動産会社であれば「価格」よりも「担当者の対応」が決め手だったという声が出やすく、学習塾であれば保護者が抱えていた不安(勉強嫌いだった、続くか心配だった)を先に語ってもらうと説得力が増す。共通して言えるのは、事業者側が用意した宣伝文句よりも、利用者自身の言葉のほうが検索している人の状況に近く、刺さりやすいということだ。

「うちのお客さんは口下手だから」と話す前に依頼をためらう事業者もいるが、実際にカメラの前で流暢に話せる人はむしろ少数派だ。言葉に詰まりながらも「本当にそう思っている」ことが伝わる映像のほうが、よどみなく話す映像よりも信頼されやすいというのが、私たちが現場で繰り返し感じてきた実感でもある。うまく話してもらうことよりも、話しやすい空気を作ることのほうが撮影の質を左右する。

信頼される撮り方の作法
——「やらせ」に見せない工夫

学習塾で保護者と生徒が自然に話す様子をカメラを目立たせずに撮影する制作者

お客様の声動画で一番避けたいのは、台本を読んでいるように見えてしまうことだ。せっかく本音を語ってもらっても、不自然な間や決まり文句だらけの言葉遣いは、見る側にすぐ伝わってしまう。

私たちの撮影チームでは、常にカメラを目立たない場所に置き、「カメラを意識させない自然体」を心がけている。質問も台本通りに読み上げてもらうのではなく、雑談の延長で自然に出てきた言葉を拾うようにする。この現場感覚は、宣伝色の強い企業紹介動画よりも、本音が伝わってほしい「お客様の声」の場面でこそ効果を発揮すると実感している。

撮影に入る前には、以下のような点を必ず確認しておくことをすすめる。

  1. 出演の目的(どこで公開するか)を事前に伝え、書面またはメッセージで同意を得る
  2. 本名・匿名・イニシャルなど、名前の出し方を本人の希望に合わせる
  3. 台本を丸暗記させず、質問リストだけ渡して自分の言葉で話してもらう
  4. 完成前に本人へ内容を確認してもらい、公開後も削除依頼に対応できる体制を整える

なお、クリニック・治療院については注意が必要だ。医療広告ガイドラインでは、患者の体験談を広告として扱うことに厳しい制限があり、「お客様の声動画」をそのまま宣伝に使う発想自体が業種によっては通用しない。医療系の広告表現で気をつけたい点はクリニックが動画で発信するときの注意点(医療広告規制)で詳しく解説しているので、あわせて確認してほしい。

撮った「声」動画をどこで使うか

1本のお客様の声動画をGoogleビジネスプロフィールやSNS、サイトに使い回すことを示すフラットイラスト

お客様の声動画は、撮って終わりではなく置き場所によって効き方が変わる。私たちが特に効果を感じるのは、比較検討の最終段階で見られる場所に置くことだ。

  • Googleビジネスプロフィールの投稿・写真欄:地図から店を比較検討している人に直接届く
  • 公式サイトの「お客様の声」ページ・料金ページの近く:契約直前の迷いを後押しする
  • Instagram・TikTok・YouTubeのハイライトや固定投稿:初めて訪れた人がまず目にする場所

Googleマップ経由の来店を増やしたい場合はGoogleマップ(MEO)×動画で地域集客を強くするもあわせて参考にしてほしい。そもそも動画の種類や使い分けから整理したい場合は企業PR動画とは?目的・効果・費用をわかりやすく解説を先に読んでおくと理解が早い。

一度に何本もの「お客様の声」を作ろうとすると腰が重くなりがちだが、1人分を撮るだけでも、Googleビジネスプロフィール・SNS・自社サイトの3か所に同じ素材を使い回せる。1本の撮影を複数の場所で長く使い続けるほうが、無理なく続けられるやり方だと私たちは考えている。

よくある質問

Q. お客様の声動画は何人分集めれば十分か?

A. まずは業種・利用シーンの違う3〜4人分から始めるとよい。同じような人ばかりだと、見る側が「自分には当てはまらないかもしれない」と感じやすくなる。

Q. 良い感想ばかりで不自然に見えないか心配だ

A. 良い点だけでなく、最初に感じていた不安や迷いもあわせて語ってもらうとよい。「良い点・悪い点の両方が書かれている」ことを信頼の条件に挙げる人は約6割にのぼり、正直さのほうが結果的に信頼を得やすい。

Q. 出演してくれる人が見つからない場合はどうすればいいか?

A. いきなり顔出しの依頼をせず、普段から良い反応をくれる常連客・卒業生などに「短い感想だけ」の軽い依頼から始めるとハードルが下がる。声だけ・手元だけの出演から始めてもよい。

まとめ

ホットリンクの調査が示す通り、クチコミを参考に購入・利用する人は8割を超え、その中でも「実際に体験した人の言葉」が最も信頼されている。文字だけでなく表情や声のトーンごと届けられる動画は、その信頼をさらに一段強くする手段だ。

湘南のような顔の見える経済圏では、大きな広告よりも「実際に利用した人の一言」のほうが強い説得力を持つ。まずは業種や利用シーンの違う数人に、短い感想だけでも語ってもらうことから始めてほしい。

誰に何を聞けばいいか迷ったときや、無理のない撮影の進め方を相談したいときは、私たちのような制作者に一度声をかけてほしい。